地元を好きになるのは結構時間がかかるのかもしれない

地元は好きか

10年まえの自分に聞いてもおそらく、遊ぶところはないし、田舎だし、嫌い...ではないけど好きかどうかわからない、と答えるだろう。

ただ10年後、30にもなった自分はお酒の飲み方も、食べ物のたのしみかたも覚えて、お金に少しは余裕ができたこともあって、何もないと思っていた地元でいくらでも遊べるようになった。

ほしいものはネット通販で手に入る。けど、ほしいものなど本当はほとんどない。しかしヒトは欲しくもないものを欲しがるものだとつくづく思うし、自分も余計なものを買うことはある。

都会はヒトとモノが集まり、ぶくぶく太っている。そんな自分も大学時代は都会に住んでいた。しかし社会人になって1年ほどたって、そんな不健康な都会から対照的な地元に帰ってきてしまった。いや逃げてきたといったほうが正しい。

ただいろいろあって、また転職してまったく土地勘もない土地に住んだ。知り合いがほぼいない不安な環境、孤独。飲みに誘えば集まれる仲間が近くにいることのありがたさが身に染みるのであった。

そんな自分がまた地元にもどり住むことになる。たぶんホームシックだったのだと思う。知り合いがいっぱいいて、町のすみずみまで地図なしで歩けて、おいしいラーメン屋さんを知っていて、それだけで安心するのだ。

友人を地元によんで遊んだとき、意気揚々とおすすめの店に連れてったり、名所に連れてったり、友人に、やっぱお前はここがあってる、といわれてはっとした。たぶん自分は地元が好きなのだ。いや、まぎれもなく好きなのだ。

それを知るまで30年かかったのは長いのか短いのか、まだわからない。

地元を好きになるのは結構時間がかかるのかもしれない